白翁幻想・夢世界作品集 第2集
白翁作品で、瓢箪を題材とした夢作品が、実に多く残されております
毎日の制作活動で、疲れ果て寝てみる夢は、制作に関する事ばかり…
夢うつつの中で白翁は、制作没頭場面を見続け、制作で疲れると庭木に吊るしてある瓢箪に入り休む
という夢また夢の作品集です
漆画 17号 「仙人の宿」
白翁記述…人里離れし深山にひっそり佇む山荘あり
そのアトリエで制作三昧、我が藝道に邁進す
あとは瓢箪の中で心身を休む
墨絵・書軸 「主は瓢中に在りて夢を楽しむ」
墨絵・書額 「我が人生瓢中に在り」
44㎝×94㎝
財法二施 功徳無量
檀波羅蜜 具足圓満
乃至法界 平等利益
菩提樹育つ 人の訪うも声なし
主は樹上の瓢中に在りて 夢を楽しむ
漆画 17号 「極楽にお酒」
白翁若かりし頃は、お酒を唯一の楽しみとしておりました
しかし多病で苦しんだ白翁人生中期・後期には、お酒を嗜む事は出来ませんでした
せめて夢の中で天上界でのご様子を、恐る恐る聞いていたのでしょうか
漆画 17号 「極楽にお酒」
宇宙眞理 自然法則 神なり佛なり
無より来たりて空に還る 人生迷悟一遍の夢
萬事塞翁馬 権力の座十年 財力の座五十年
人命長くて壱百年 思想哲学悟りの座
漆藝術三千年 あとは菩薩に聴くとよい
墨絵・書額 「瓢中仙人」
白翁記述…風力強く吹き荒らぶ中で、枝に吊るされし
瓢箪の中では仙人が目を回している
※ここでは白翁が仙人となっております
漆画 17号 「瓢中仙人」
漆画 8号 「菩提樹下・瓢中世界」
※瓢箪の中で白翁が、安らぎのいっときを楽しんでおります
よく見ると酒と肴と猪口が横に置いてあり、病身により医者から酒を禁じられている
白翁の夢そのものであります
墨絵・書額 「瓢(ひさご)を愛す」
39.0×55.0
※世間で公害問題が、深刻に議論していた時代に、制作された作品です
箪を愛す 酒あり 公害のある時は瓢中に眠る
夢想世界
漆絵版画 8号 「山荘・涅槃堂」
漆絵版画 8号 「瞑想」
白翁記述…神山奥深き所に仙人が住むという山荘あり
夢なかでよく立ち寄る場所でもある
涅槃堂内で、現前の境界を忘れ、優雅なる世界で遊び、瞑想を続ける白翁図
漆絵版画・墨書 6号 「みほとけ」
みほとけも自然も我も只一つ
漆絵版画 8号 「聖観音」
漆絵版画・墨書 6号 「観世音菩薩」
白翁記述…ある夜見た夢、それは我が身に、深く刻まれた尊くもあり有難い夢であった
あたり一面、墨を流したような漆黒の闇に、観音様が燦然と立っていた
私は両手を合わせ、ただ茫然と立ち尽くしていた
みほとけも自然も我も只一つ
白翁記述…人間は常に諸々の神佛に、護られて生きている
念ずれば心中に佛の姿を拝す
是もあり非もあり、されど如何なる苦しき事あるとも、
心に観音を念ずれば、我が身観音たり
いっときも忘れることなし 南無観世音菩薩